パテック・フィリップのコンプリケーションウォッチを紹介するには、相当な覚悟が必要です。説明が難しいからではなく、どれだけ語っても語り尽くせないほど魅力が詰まっているからです。例えば今回のパテック・フィリップ 5951P は、同社が今年発売した数多くのクロノグラフの中で、最も複雑な機構を持つモデルとなっています。

どれほど精巧なのか。玄人なら「世界最薄の永久カレンダー付きラトラパント・ワンプッシュクロノグラフ」と答えるでしょう。永久カレンダーモジュールを取り除いた状態でも、依然として世界最薄を維持しています。一般の方には、針と表示窓の数を数えるだけでその特別さが伝わります。本モデルには計 7 本の針と 5 つの表示窓が備わり、時・分・秒の標準針 3 本、クロノグラフ用針 3 本に加え、月相と永久カレンダーのフル表示機能を搭載しています。

私の経験上、パテック・フィリップの真価を見極めるには針を見るのが一番です。5951P はクロノ機能の 2 本の針をスチール製とし、その他の針はホワイトゴールド製。黒・白・赤の 3 色に仕上げられたデザインは見事で、この美しい針だけでも入手する価値が十分にあります。

もう一つ私の持論を紹介します。どの時計を選べば迷った時は、パテック・フィリップを選んで間違いありません。さらにパテックの中で絞り込めないなら、手巻きクロノグラフ、中でもラトラパントモデルをおすすめします。

いずれにしても購入には長い順番待ちが伴うため、あまり深く悩む必要もないでしょう。待ち時間に気が変わり、別のモデルを購入することもよくある話です。